人気ブログランキング | 話題のタグを見る

野鳥のヒナ 見守り隊

wbmimamori.exblog.jp
ブログトップ

カワラヒワのヒナを保護した方へ「保護したヒナを親鳥へ返す」

野鳥のヒナは保護しないことが一番です。
親鳥に育てられることが一番の幸せだからです。
しかし野鳥の知識が無いと、道路にヒナがいただけで保護してしまいます。
ただ「かわいそう」という理由で誘拐してしまいます。
ここではカワラヒワの巣立ちヒナについて書きます。 
→巣内ヒナだったら?(←今後、加筆し追記します)

【カワラヒワの巣立ちヒナを保護してしまったらどうすれば良いか】
保護した場所から一番近くの、低い木の茂み(植え込み)や、ヒナが隠れられる高さがある草の中に、戻してあげます。
そして立ち去る←ここ大事。
カワラヒワは警戒心が強い鳥なので、人間がいたら親鳥は近づけません。

親鳥はどこにいるの?
カワラヒワは給餌回数がスズメやツバメに比べるとかなり少なく、1/30と言われています。
ツバメが2分に1回給餌するとしたら、カワラヒワは1時間に1回です。
親鳥は縄張りの外(1〜2km先)へ餌を採りに行き、そのうに餌を詰めて運んできて、吐き出してヒナ全員に餌を与えます。
カワラヒワは警戒心が強いので、人間がいるとあまり近づいてきません。
もし近くまで来ていても、木の中にいれば姿は見えないし、スズメとカワラヒワの見分けがつかない人が多いです。
親鳥を探しても見つからないのは、そういった理由からだと思われます。

【やってはいけないこと】
ヒナを鳥かごに入れる。
 →人間にとっての檻のようなものです。絶対に入れないで!
ヒナを鳥かごやダンボール箱に入れて親鳥や巣を探す
 →カワラヒワは警戒心が強い鳥です。自分のヒナが捕まっているのを見たら、寄ってくることはないでしょう。
(巣ごと落ちてヒナ全員が保護されている場合は、餌やりにくる場合もあります。)
犬や子供を連れている
 →警戒心が強いので、声を出したりよく動く子供や、動物は外敵です。
※もちろん、人間も外敵だということを忘れないでください。

やらなくても良いこと
巣を探すこと
 →なぜ?と思うかもしれませんが、答えは「探しても見つけられない場所に巣を作っているから」です。
葉が密集した木の中に巣を作っているので、見つけ出すのは困難です。
もし巣が見える場所にあったとしても、戻そうとしないでください。
なぜかというと、巣立ち近くまで成長したカワラヒワのヒナ達は、お椀状の巣の上に「乗って」います。
人間が巣に戻そうとすることで、ビックリした他のヒナ達が飛び出して、二次災害になりかねません。
巣が分かるのであれば、その近くの枝などに乗せてあげてください。

ちなみに、巣はどの辺りにある?】
近くに常葉樹か針葉樹はありませんか?(一年中、葉が落ちない木です)
「ヒバ」か「チャボヒバ」の木はありませんか?
ヒバはヒノキの仲間で、カワラヒワはよくヒバの木の中に巣を作ります。
マツ、ヤマボウシなどの葉が多い木の中の他、建物の隙間に巣を作ることもあります。

私がヒナを保護したのは、私の家の前の道路の側溝の中でした。
家は住宅地の中にあり、周りの家はどの家にもヒバの庭木があります。カワラヒワは年中近くを飛んでいるので、近くで営巣しているのは確かなのですが、ヒバの木は冬になっても葉が落ちないので、結局巣の場所は分からないままです。

ヒナが弱っていたら
飛べなくても問題はないですが、動くことが出来ないほど衰弱していたら、一晩だけ保護して保温と臨時の栄養補給をしてあげます。
元気そうだけど夜の道路などにいて保護した場合は、なにも与えなくても、保温だけして翌朝戻せば親鳥が来てくれます。
私が保護した時のように、ケガはしておらず衰弱している場合は、一晩だけ保護して翌朝早朝(5:30〜6:30頃)保護した場所の近くに戻してあげれば、それで良かったのだと今は思います。

ケガをしていたら
鳥類の身体は哺乳類とは違います。
野鳥を診察してくれる獣医さんを探して診てもらいましょう。
一般的に片足だけの障害ならば野生でも生きることが出来るようです。
ケガが原因で野生復帰が無理だと診察されたら、お住まいの市町村の森林課または鳥獣保護課などに連絡し、飼養許可(登録票)をもらってください。
許可無く飼育することは鳥獣保護法で禁止されています。

【気をつけなければいけないこと】
一度ヒナを保護すると、心配でなかなか手放せない人が多いです。
例えば「保温と臨時の栄養補給をします」と書いてあると「それをしなければいけない使命感」に取り憑かれて、ヒナを戻すことよりも必要な物を買いに行ってしまう人もいます。
自分の手元が一番安全で「外は猫やカラスがいるし車も来るし雨も降っていて危険」と思いがちですが、そんな中で野鳥達は子育てをしています。
野鳥のくらしを知ってください。
私たちはヒナの親にはなれません。
野鳥のヒナは親鳥に育てられることが一番の幸せです。
親鳥はヒナを探しています。
どうか親心は人間と同じだと考えて、親鳥の元へ戻してあげてください

-------------------------------------------------------------------------------------

by ma-ya35 | 2015-06-20 20:00 | 野鳥のヒナ保護に関すること